電力・エネルギー
電力・エネルギー
課題
効果
「お客さま目線で品質向上に役立つ機能を重視して、 多くの要件を満たしていたのが、アバイアでした。」
積雪寒冷地でエネルギー消費量の多い北海道において、1911 年よりガス供給事 業をスタートさせた北海道ガス株式会社。エネルギー自由化に伴う電気販売事業へ の参入はもちろん、独自開発のHEMS(Home Energy Management System)で ある「EMINEL(エミネル)」をはじめとしたエネルギーマネジメント事業も手掛ける など、総合的なエネルギー事業を展開する企業へと成長。2018 年よりLNG(液化 天然ガス)を使った道内初の火力発電所「北ガス石狩発電所」の運転を開始する などエネルギーの安定供給とCO2 削減に向けた環境づくりに取り組み、地方自治体 と連携した「エネルギーの地産地消」を進めるまちづくりにも参画。北海道の低炭 素化と地域社会の活性化など、持続可能なエネルギー社会の創造に貢献している。
同社のガス事業は札幌市、小樽市、千歳市などを中心とした道央エリアをはじめ、 函館市と一部周辺エリア、そして北見市にサービスを提供している。また、電気事 業は電力自由化の2016 年から離島を除く全道一円に展開し、中核を担う事業となっ ている。
2019 年 6 月の新社屋移転までは、顧客からの問い合わせに対応するお客さまセ ンター(代表)、料金関連の問い合わせに対応する料金コ-ルセンター、ガス漏れ など緊急度の高い問い合わせ窓口となる保安センターの3つのコールセンタ-体制 で運営していた。3センタ-はそれぞれ開設時期や所在地が異なっていたことから、 問い合わせを受け付ける設備も異なる仕組みで運用されていたという。「用途に応 じて専用ダイヤルを増やしていったため、当時は問い合わせ先となる電話番号の数 が 15 を超えており、お客さまから、『分かりにくい』というご意見もいただいていま した」とエネルギー企画部 お客さまセンター 係長 結田晃弘氏は以前の状況を振り 返る。
サービスレベルの異なる複数業務を1つの基盤に集約 新社屋への移転に伴い、コールセンター基盤の統合を実現
新たな環境構築において検討したことは、問い合わせの電話番号を集約すると同 時に最適に専門のオペレータに振り分けるIVR や、顧客情報や作業状況が管理され ているCRM などの基幹システムと連携できるコールセンターの仕組みでした。そこ で注目したのが、アバイアが提供するコンタクトセンターソリューションだった。 「IVR はもちろん、最後に会話をしたオペレータにつなげるラストエージェント機能 など、お客さま目線で応対品質向上に役立つ機能を重視しました。また、保安セン ターや料金センターなどは十分な統計情報が取得できていなかったため、詳細な情 報取得から分析が可能な仕組みが求められたのです。それらの要件を満たしていた のが、アバイアでした」と結田氏。
「要件に合致していたソリューションは他にもあったが、立ち上げまでの期間が短 く、費用も安価におさえられる点で、ある程度パッケージ化されているものが必要 でした。また、オペレータが操作する端末がシンクライアント環境だったため、シン クライアント環境でも十分な実績を持っている点でもアバイアを高く評価しました」 と結田氏は説明する。実績という面では、センター業務を委託している2社がアバ イアを利用した経験があったことも大きなポイントだったという。
保安センターの受付業務を所管する供給保安部 緊急保安グループ 係長 小谷滋 彦氏は、緊急のコール受付から作業員への通知までのオペレーションが迅速なもの を求めたという。 「日頃から、お客さまから『ガス臭い』というご連絡を受け付けた後、 迅速に作業員が出動できることを目標としています。今までは受電したオペレータ がチャイムを鳴らして指令担当に通知してから、移動してパソコンの画面や手書きメ モを見て住所を確認するような運用でした。アバイアの持つエージェントマップ機能 とソフトフォンの仕組みを利用することで、受電から住所特定、通知までのフローが シンプルに画面上だけで実施できる点を高く評価しました」。結果として、問い合わ せを適切なオペレータに振り分けることによる顧客対応のさらなる品質向上と、緊 急性が求められる保安業務における迅速な情報共有の基盤として、アバイアのコン タクトセンターソリューションが採用されることになる。
2019年6月の新社屋への移転にあわせて、新たに統合されたコールセンター基盤 を稼働させた同社。サービスレベルの異なるセンターをアバイアの基盤にて統合し、 総合窓口となるお客さまセンターと料金センター、保安センター全体で124の席数を 設置、IVRを活用して電話番号を公表2つに集約している。顧客情報や料金情報、作業 状況などが管理された基幹システムとCTI連携が行われている。受電時点でPC画面 上に電話番号に紐づいた顧客情報が表示、問い合わせ対応が円滑に行われるように なっている。緊急度の高い保安センターは、24時間365日、社員が対応しており、夜 間・土日祝は宿日直業務として社員およそ300名が持ち回りで担当する輪番制を敷い ている。日々の運用では、Agent MAP®にてオペレータの対応状況や休憩状況が色分 けされてスーパーバイザから容易に確認できるようになっており、保安センターでは 緊急性の高い案件の顧客情報が即座に通知される。なお、現在は新たにグループ会 社の北ガスジェネックス株式会社でもアバイアのコンタクトセンターソリューションを 共用しており、多くの問い合わせに対応できる環境を整備している。
新たな基盤を整備したことで、CRMとの連携によって電話番号から顧客特定が迅 速になり、IVRによって最適なオペレータに振り分けることで顧客満足度の向上に役 立っていると瀬川氏は力説する。 「新たなオペレータの採用が難しくなっている今、以 前のようにあらゆる問い合わせにマルチ対応できるオペレータを中心としたセンター 運営は難しい。IVRにより、デビュー直後の人も含め、さまざまなスキルを保有するオ ペレーターによる最適な運営が可能になった」。
管理の面では、オペレータのより詳細な業務分析が可能になっただけでなく、業務 負荷の軽減にもつながっていると結田氏は評価する。情報の可視化によって、現場の 課題が明確化したことも大きな収穫だという。 「月次報告などで各種KPIの数字が把 握しやすくなり、優先順位が明確になりました。可視化できたことで改善につながる 次の一手が打ちやすくなりました」と瀬川氏。
保安の面では、 これまで感覚的にしか捉えられていなかった入電状況が可視化で きたという。 「これまでは保安センターとして受け付けたものは記録されていました が、単に説明しただけの問い合わせは記録できていませんでした。今では入電情報が 記録され、本当に緊急対応が必要な問い合わせだけをどう受け付けていくのか、新 たな施策に向けた取り組みの基礎情報として役立っています」と小谷氏は評価する。 また、 ソフトフォンのStationLinkを採用したことで、支店間での転送などが画面上か らスムーズに行えるようになり、転送ミスなどを防ぐことができている。 さらに、ワイヤ レスヘッドセットを採用したことで、確認作業のためにセンター内を移動しても継続し て顧客対応が可能な点も評価の1つに挙げている。操作性に関しては、自身もオペ レータとして作業している小谷氏は、 「私自身毎日使っていますが、肌感覚で操作でき るために大変助かっています。輪番制で担当する社員は1か月に1度程度宿直するこ とになりますが、1度説明すればすぐに感覚的に使いこなせます。ユニバーサルデザイ ンに配慮された仕組みだからこそだと思います」。
なお、今回導入支援や運用保守を担当している日本電信電話株式会社さま、三機 テクノサポート株式会社さまについては、教育面やCMS関連のマニュアル作成、数字 の抽出方法など、現場の課題へのフォローが充実していると高く評価する。 「特に緊急 性の高い保安センターは応答率が100%でなければなりません。同社のアイデアで、 オペレータの対応状況によって呼び鈴で管理者にアナログで伝えるような仕掛けも 提案してもらい、実際に運用しています」と小谷氏は評価する。
アバイアの持つエー ジェントマップ機能と ソフトフォンの仕組み を 利 用 す ること で、 受 電 から住 所 特 定、 通 知までのフロー が シンプル に画 面 上 だ けで実 施できる点 を 高く評価しました
今後については、2018年に胆振東部地震の際に電話が殺到した経験から、災害体 制下での問い合わせ対応についてもより効率的な環境づくりを進めていきたいとい う。 「 地震が発生するとガスメータに備わった安全装置が機能し、一時的にガスの供 給が止まります。ボタンを押して3分待つだけで復旧できるのですが、対処の方法が分 からずに多くの問い合わせがありました。本来、ガス漏れなどの対応に注力すべき保 安センターとしては、そういった軽微な問い合わせをうまく別の仕組みに流していくよ うな仕掛けが必要だと考えています。 」と小谷氏。
具体的には、動画サイトやホームページに誘導するべくIVRやSMSでの通知など、 異なるチャネルで対応できる環境整備にも注力していきたい考えだ。 これはガスの開 通時期などの繁忙期も同様で、Webサイトからの受付への誘導などを通じて顧客が 最適な窓口対応を選択できる環境整備を進めていきたいという。
現在は問い合わせ対応がメインとなっているが、いずれはプロフィットセンターに進 化すべく環境整備や体制づくりも進めていきたいという。 「オムニチャネル化した環境 に対応できるコンタクトセンターとして拡張していくことで、 これまで電話で接点を持 つことができなかったお客さまの声も幅広く収集できるようになり、新たなアイデアも 生まれてくるはず。 チャットボットなど新たな仕組みも取り入れながら、お客さまの課 題解決に大きく貢献できるセンター運営をさらに推し進めていきたい」と瀬川氏は語 りました。
要件に合致していた ソリューションは他にも あったが、立ち上げま での期間が短く、費用 も安価におさえられる 点 で、あ る程 度 パッ ケージ化されているも のが必要でした。 また、 オペレータが操作する 端末がシンクライアン ト環境だったため、シ ンクライアント環境でも 十分な実績を持ってい る点でもアバイアを高 く評価しました
ビジネスはそれを提供する側のエクスペリエンスに基づいて構築されており、毎日 何百万ものエクスペリエンスがアバイア(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ) によって構築されています。アバイアは、100 年以上にわたり、お客様とその顧客 にインテリジェントなコミュニケーション体験を創造することで、世界中のあらゆる 組織における成功を支援してきました。アバイアは、コミュニケーションとコラボレー ションを強化し簡素化するため、クラウド、オンプレミス、ハイブリッド環境に柔軟 に展開できる、オープンで統合された革新的なソリューションを提供します。お客様 のビジネスの成長のために、イノベーション、パートナーシップ、そして、未来のテ クノロジーの開発に注力しています。お客様が信頼できるテクノロジー企業として、 「真のエクスペリエンス」の提供を支援します。
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