プロフェッショナルサービス
プロフェッショナルサービス
「生きることは、託すこと。」をブランドメッ セージとして掲げる大東建託グループにお いて、賃貸建物の管理業務を手掛けている 大東建託パートナーズ株式会社。“賃貸住宅 の「ベストパートナー」”を企業ビジョンに 持つ同社は、全国170を超える営業所を通 じてオーナーおよび入居者の利便性向上を 図るための各種サービスを展開している。 2017年には管理戸数が100万戸を突破する など、日本最大級の規模を誇る賃貸建物事 業をグループとして展開しており、同社は それら管理建物の設備や契約、家賃など賃 貸建物に関する管理業務を一手に引き受け ている。その管理業務において重要な役割 を果たすのが、オーナーに代わって入居者 対応を支援するためのコールセンター「24 時間いい部屋サポートセンター」だ。東京 と福岡の両拠点で200席を越える規模で各 種問い合わせのコール窓口を24時間365日 の体制で運営しているが、単に入居者から の問い合わせを受け付けるインバウンド業 務だけでなく、入居者サポートを営業所に 代わって行うアウトバウンド業務を手掛け るなど、事務処理も含めた営業所業務の集 約も行っている。
「これまで電話を主体としたコールセンターでしたが、アバイアを 活用することであらゆるチャネルを活用して顧客満足度を向上さ せるコンタクトセンターへと進化させることができると考えました」
顧客対応の中核を担うコールセンターで は、10年ほど前に導入した電話の仕組みが サポート期間の終了を迎え、今後の事業拡 張も見据えた新たな顧客対応基盤の構築を 検討することになった。その前提として構 想した仕組みが、営業所で行っている電話 対応をすべてセンター側で集約する“総合 コールセンター化”だ。「現状は月10万件 以上の問い合わせがコールセンターに寄せ られていますが、総合コールセンター化が 実現した暁には、その規模が約4倍まで膨 らむことが試算されていました」と語るの は、24時間いい部屋サポートセンター セ ンター長 松本與喜氏だ。当然ながら人海戦 術だけでは限界があるため、チャットボッ トやLINEをはじめとしたSNS連携、AI 技術の活用などを通じてオムニチャネル化 した顧客対応基盤を整備し、コンタクトセ ンターとして新たな姿を目指す必要がある と考えたという。また、既存業務の改善に つながることも検討された。それが問い合 わせ業務の一元化だ。営業所が顧客情報 を管理する基盤としてDynamics CRM を活用しているが、コールセンター側で は既存のPBXに紐づいた顧客DBでコール 履歴を管理しており、営業所側とコール センター側の情報がリアルタイムに反映で きていなかった。そこで、顧客情報と顧客 のコール履歴を一元管理することで入居者 対応を円滑に行う環境づくりも同時に検討 した。
さらに、グループ企業内で新たなサービス を立ち上げる際には、同センターに窓口業 務を委託するケースが多く、できる限り 迅速に窓口業務が始められるよう、迅速 かつ低コストで構築できる柔軟な基盤づ くりも必要だった。「例えば、入居者向 けに電気やガスを販売する新しいサービ スを開始する際には、保守受付センター としての窓口を設置して欲しいといった 要望です。すぐにサービスが始められる よう、柔軟に環境整備できるものが必要 でした」と 東京センター 主任 曾田周平 氏は語る。他にも、現状は日本語だけで なく英語や中国語、韓国語、スペイン 語、ポルトガル語の5か国語で窓口対応 を行っているが、営業所には各言語に精 通したスタッフは当然常駐していない。 そこで複雑な手順を踏むことなく、営業 所とセンター、そしてお客さまで三者通 話できる環境も求められるなど、現状業 務にも柔軟に対応できる環境への刷新が 求められたのだ。
「以前は問い合わせ情報が分 散していたことで、営業所 に伝えた情報がコールセン ター側に共有できていませ んでした。今はDynamics CRM上ですべての情報が管 理できており、入居者への 対応がスムーズに行えるよ うになりました。エージェ ントの心理的な負担軽減に も役立っています。」
新たな基盤を検討するなかで同社の目に 留まったのが、アバイアのコンタクト センターソリューションを基盤とした、 SCSK株式会社が提供するクラウド型コ ンタクトセンター基盤「PrimeTiaas」 だった。「実はサポート期間の終了まで1 年を切った段階で検討を始めたこともあ り、開発期間がとても短かったのです。 現実的に構築可能な環境を検討した結 果、クラウドサービスを利用することが 最適だと判断しました」と松本氏。実際 の開発期間が短縮できるだけでなく、業 務の変化にも柔軟に対応できる点もクラ ウドサービスの大きな利点だという。「恒 久的な業務だけでなく、期間限定のス ポット的な対応が求められることも多く あります。必要に応じて席数が増減でき るといった柔軟性もクラウドの大きな魅 力」と曾田氏は話す。
またアバイアのソリューションは、 LINEをはじめとしたSNS連携や WebRTCを活用したWeb会議への対 応など、コール数を減らしながら問い合 わせ能力を向上させるオムニチャネル化 にも対応できる基盤になっている。「こ れまで電話を主体としたコールセンター でしたが、アバイアを活用することであ らゆるチャネルを活用して顧客満足度を 向上させるコンタクトセンターへと進化 させることができると考えました」と松 本氏は評価する。
営業所に対してリアルタイムな情報共有 を可能にするため、既存のDynamics CRMをコールセンター側でも利用でき るよう検討したところ、アバイアのコン タクトセンターソリューションであれば Dynamics CRMと柔軟に連携*できる ことが判明。「これまでは電話側に蓄積 されたコール対応履歴の情報を、定期的 なタイミングでDynamics CRMに展 開し、営業所側からでもコール履歴を確 認できるようにしていましたが、結局問 い合わせ履歴の二重管理を余儀なくされ ていました。その状況を解消する意味で も、Dynamics CRMと柔軟かつリアル タイムに連携できる点は、効果は大きい」 と松本氏。さらに、これまで難しかった 顧客と営業所、そしてコールセンター側 での三者通話も実現可能であることが分 かった。
結果として、SCSKが提供する PrimeTiaasが同社の求める顧客対応基 盤として採用された。
現在は、同社のデータセンター内に PrimeTiaas向けのゲートウェイを設置 し、クラウドサービスとして仮想PBX 機能を活用、通話録音やポップアップ 機能をはじめとしたCTI連携などを通じ て、コールセンター業務を円滑に行っ ている。具体的には、インバウンドであ れば問い合わせコールが入った時点で Dynamics CRM上に電話番号に紐づい た顧客情報が表示され、営業所であって もコールセンターにおける対応履歴がリ アルタイムに共有できるようになってい る。「以前は問い合わせ情報が分散して いたことで、営業所に伝えた情報がコー ルセンター側に共有できておらず、お客 さまにご迷惑をおかけする場面もありま した。今はDynamics CRM上ですべ ての情報が管理できており、入居者への 対応がスムーズに行えるようになりまし た。エージェントの心理的な負担軽減に も役立っています」と松本氏は評価する。 当然ながら構成がシンプルになること で、日々の運用管理や保守メンテナンス など工数削減にも大きく貢献していると 松本氏は力説する。
また顧客に電話を掛けるアウトバウンド 業務においては、エージェント別時間当 たりのコール件数などの数字を正しく取 得、数値化できるようになり、業務の可 視化にも貢献している。「実績がしっか りと確認できるようになり、生産性の向 上などオペレーション改善にも役立てる ことができます」と松本氏。さらに、以 前は電話番号と席が固定化していたこと で、要件によってはエージェントが席を 移動して電話をかける状況もあったが、 今では、自席で発信番号を容易に切り替 えることができるようになり、以前より も効率よくオペレーションできるよう になった。「IVRの柔軟な設定をはじめ、 ダイレクトメッセージを自動発信するオー トコールの機能など、業務効率を高める ためのさまざまな機能が活用できるよう になった点も見逃せない」と曾田氏は語る。
現状は業務フローの改善に合わせて席数 の増減を図るなど試験的な取り組みも 行っており、柔軟に環境が変更できるク ラウドサービスならではの使い方も行わ れている。「特定の営業所宛の電話をす べてこちらで受け付けるといった、総合 コールセンター化を想定した試験も行っ ていますが、コール数の増減に応じて キャパシティを変更しています。柔軟に 運用できるのは、まさにクラウドならで はの使い方です」と松本氏は説明する。
今回アバイアのソリューションをクラ ウド環境で利用できるPrimeTiaasを提 供しているSCSKについては、「アバイ アの機能をクラウド環境で利用できるソ リューションがあったおかげで、短い期 間のなかでも稼働させることができまし た。こちらの要望に対しても柔軟に対応 いただくことができ、とても感謝してい ます」と松本氏は高く評価する。
今後については、稼働し始めた PrimeTiaasの習熟度を高めていきなが ら、Dynamics CRMへの入力方法など 業務改善を含めた全体最適化に向けた動 きを加速していきたい考えだ。「エージェ ントの状態が可視化できるエージェント マップなども活用しながら、さらなる応 対品質の向上につなげていきたい」と曾 田氏は話す。
また、2018年度から着手し始める総合 コールセンター化の動きに合わせて、営 業所に設置されたPBXをコンタクトセ ンター側に設置するアバイアのPBXに 集約、PrimeTiaasとも連携させながら コンタクトセンター側と営業所を業務レ ベルでリアルタイムにつないでいける環 境を整備していきたいという。「全拠点 にアバイアの電話機を設置して内線網を 整備することで、緊密な連携を業務レベ ルで行っていくことができます。顧客満 足度もさらに向上させることができるは ず」と松本氏は期待を寄せている。
同様に、LINEやFacebookなど各国の 状況に応じたSNS連携をはじめ、自動的 に対話を行うチャットボット、音声認識 や自動要約といったAI技術の活用、そし てWebRTC技術を活用したWeb会議 上での画面サポートなど、オムニチャネ ル化を推進していきながら、1件当たり の対応時間を短縮させるためのアプロー チに取り組んでいきたいという。「大量 のコール数をうまく切り盛りしつつ、顧 客満足度を向上させていきたいと考えて います。そのためにも、アバイアのコン タクトセンターソリューションをフル活 用させていきたいですし、効率化につな がる提案についても期待しています」と 松本氏は語る。
© 2024 Avaya LLC