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今回のお話は、最近引き合いが多い「CMSのECHとsendAsciiパッケージ」についてです。
■コールレコードとECHについて
ご存知の方も多いと思いますが、CMSのレポートの一つに「コールレコード」というものがあります。
CMS Supervisorからは以下で参照できます。 「レポート - ヒストリカル - その他 - コールレコードレポート」
このレポートは、携帯電話の明細レポートのように、1通話毎の発信者番号、応答エージェントID、通話時間、転送有無など、さまざまなデータを参照することができます。 お客様とのトラブルコールを誰が対応したかなどを調べるのに参照された方は多いと思います。
しかしながら、CMSの内部バッファには、20分間に400コール、5000件までという制限があります。 バッファが溢れてしまった場合には、そのインターバルのデータも参照できなくなり、呼が多いコンタクトセンターでは、ほとんど参照することができません。
そこでCMSには、External Call History(以下ECH)という機能があります。 以前は、別ライセンスでしたが、R13からECHのライセンスはCMSに含まれました。 ECHを使うと、バッファの内容を外部ファイルへ吐き出すことができますので、データを取りこぼすことなく、参照可能となります。
注意)CMS R16から内部バッファが拡張されています。インターナルコールレコードテーブルへの書き込み率は20分間に4000コールになりました。データの保持件数も5,000件から100,000件に拡張されていますので、ECHを使わずに内部コールレコードを使う選択肢が増えています。 (2010/03/18)
■sendAsciiパッケージとは?
CMSから吐き出されるECHのデータはバイナリーフォーマットです。 したがって、人間が目で見て解読できるものではございません。 もちろん、ECHのデータ構造についてのマニュアルはありますので、解析プログラムを作れば可能ですが、簡単ではありません。 そこでECHのデータを使いたいというお客様には、CSIオファーとしてsendAsciiパッケージというものがあります。 このパッケージは、バイナリーファイルをテキストファイルへ変換し、外部のFTPサーバーへファイル送信するというパッケージです。 *ECHのライセンスはR13から含まれていますが、このパッケージは別途購入が必要となります。
■ECHは、どんな目的に使えるの?
最近はより細かい分析をしたいということで、ECHを使いたいというお客様が増えて来ています。 ECHを使うことにより、以下のようなレポートが可能となります。
ECHデータはスタンダード:65項目、拡張:77項目ありますが、特に面白そうな項目は以下になります。
詳細は、添付Sendscii出力データ項目仕様ファイルをご参照下さい。
■何か注意事項は?
◆ CMSのコールIDとCTIのコールIDは異なる
CMSのコールIDは、CMS自身が採番していますので、CTIのコールIDとは異なります。 着信呼を転送した場合、2レコードできます。 ECHのレコードは、CALLIDは同じで、SEGMENTIDが1、2のようになります。
◆ UCIDでの注意事項
ECHにもUCID(Universal Call ID)があります。CTIのデータにも同じUCIDがあり、これを使えば業務アプリ側(CTI側)とECHのデータと付け合せが可能です。 ただし、VDNへブラインド転送した場合、ACDログインしていない電話機へ転送し、さらに、転送した場合などは、CMSのUCIDとCTIのUCIDとで異なります。 (件数が少ないので誤差の範囲で無視できるとは思いますが)
■コンタクトセンターは次の段階へ
ログのような生データをレポートとして、ビジュアル化しレポートや分析に生かす時代がやって来たと思います。 サマリーデータだけではなく、生データの活用をご検討してみては如何でしょうか?
第2回
CMSのECHとsendAsciiパッケージについて(第2弾)